彼女は儚い 本当に。



話しかけなければ消えてしまいそうな。



異様なオーラを放つ彼女は目立つがその容姿や言動がそうさせているのかもしれない。



「放課後用事があるから2人で帰ってね」



彼女を観察していたら夏帆がそう告げにきた。


「何の用事?」

「委員長だからねいろいろ」

「わかったよ。」



帰り道 夏帆と帰らないなんて珍しいことじゃないがそれよりも夏帆と違う女の子と2人で帰るのは初めてだった。



会話もなく、細い手足はアスファルトで溶けそうだ。



俺は夏帆といつもの行くアイスを食べようと提案したらすんなり承諾してついて来てくれた。



夏帆は座るなり「暑い」と胸元を掴んで仰いでスカートの裾を下着が見えるんじゃないかってくらいパタパタするが星野 依織は少し汗で濡れた髪を耳にかけるその姿にドキンとした。




動作すべてが色っぽく感じてしまう。



「溶けちゃうよ」



見惚れていた俺にそう促す。



いけないいけない...



心臓よ落ち着け。



体が少し熱くなったのを感じ噛まずに飲み込んだ。



俺じゃなくてもそうなっていたはずだ。