「何故生きようとしないの?死にたいの?助けてもらったのに殺されかけた家に戻りたいの」
「誰も助けてって言ってない貴方たちが勝手に家に入って来て勝手に助けた」
「助けてって言ってた」
「言ってない耳おかしいんじゃない」
「言ったよ口にはしてないけど目が言ってた助けてって」
「......」
無言で返したあと彼女の目には大粒の涙が覆っていた。
大きな瞳から悲しみの雫が落ちる。
夏帆はそんな彼女を抱きしめた。
「戻りたくないッ帰りたくなんかない」
「うん。わかってる」
「でも親戚も身寄りもここには居ない」
「じゃあ私の家にきなよ。って言いたいところだけど厳しいからヒナの家ね」
何だって?

