今は夕方だろうか。
街全体が赤く照らされている、街の隙間から差し込む光が眩しい。


楽しくはしゃいでいる子供たちをちらほら見かける、ここの世界でもこういうところは同じみたいだ。


「あそこだ」


少し先にこの国を閉じ込める大きな壁、その中心に門があった。
門番の数は…ざっと6人。
緊急時に城から応援を呼ぶ形なのか。


「良かったな、今日は門番少ないようだ…ん?どうした?」


わたしはレムロードの服の裾をぎゅっと掴む。
あれ?なんでわたしこんなこと…


「不安になっちゃうよな、大丈夫だよ。俺がずっと傍にいてやるから」


レムロードはわたしの頭をくしゃっと撫でる。
その言葉だけで、少し落ち着いた。


『いいか、玲。人を傷つけるために使っちゃダメだよ、自分の身に危険が生じた時や、人を守る時に使いなさい。』


おじいちゃん、もしもの時は…いいよね。


わたしたちは門へ向かった。