「これ、一応服の中胸のあたりに入れといて」


突然鉄の板のような物を渡される。


「万が一刺されても大丈夫なように、念の為」


「わかった」


鉄の冷たさが、今のこの現状が夢ではないと感じさせる。
何度夢と願っても、これは夢ではない。
ちゃんと戦わなくてはならない。


「行くぞ」


レムロードの背中が頼もしく感じる。
ひとり寂しく行く宛もなく立ち止まらずにいられてるのも、レムロードがわたしを助けてくれたから。
まだ信頼するまでには時間が足りないけど、すごく感謝している。


「レムロード…ありがとう」


「なんだよいきなり、不安だろうけど俺も精一杯お前のこと守るから」


レムロードの優しい言葉に胸が温かくなる。


ギィ…


扉を開ける。
さあ、出発だ。