近づかないで



あー、腹が立つ。


今すぐにでもこんな学校転校したい。


まぁ無理だけど。


「あれ、紗耶香ちゃん?」


いらいらがもう少しで最高潮に足すタイミングで聞き覚えのある声がした。


見なくても分かる。


お兄ちゃんの後輩でよく家に来ていた四宮勉(シノミヤツトム)だ。


でも挨拶をする仲ではない。


私は無視して通りすぎようとした。