チュンチュン……


「ん……朝?」

気づけば朝日が部屋に…?

「って、ここどこ!?痛っ……」

慌てて起き上がろうとすれば火傷の酷い痛みに襲われ呻きながら腕をみる。

みて、私は驚いた。

「手当て、されてる……?「気づいたか?」

は、と声のする方を見ればそこには黒い忍の服を着た青年がいた。
その青年はどこか追ってと似ていてひ、と後ずさる。

「別に怪しいもんやない。お前を助けたもんや」

「私、を……?あなたは、」

「山崎丞。あんた、阿古屋の一族の娘やろ?」

「………!」

私は山崎という男を凝視した。

たしかに私は、阿古屋の血を引く一族の娘。
天皇のために音を奏でる一族の末端。

でも、一日でわかること?

この人は、いったい何者?

私の疑問を察したのか青年はふ、と笑った。

「なんでわかった、と顔をしてるな」

「そりゃ、当たり前でしょう……誰、あなたは。どうして、わかったの「あんたが着ていたその着物や」

「着物……ってあ、」

そういえば火の手があがる直前は天主さまから声をかけられたのをきっかけに正式衣装を着て練習をしていた。

だから、なのか。

私は青年を睨んだ。

「あなたは……ただの山崎丞じゃないわね。市民がその着物の意味をわかる訳ないもの。あなたは、誰かしら」

「末端に言われたくないけどな。ワイは、新撰組の監察、山崎丞や。以後よろしゅう」

新撰組の、監察。

私はさっ、と顔が青ざめた気がした。