「………今日はこれで終わり思うてたんやけどなあ……」

血濡れた少女の側にひらりと立つ青年。
青年はため息を吐くと少女の首すじに手をあてて死んでいないか確かめる。

…死んでいない。

青年はやれやれと言いながら少女の身体を抱き上げ改めて少女をみると目を見開いた。

「この着物は……」

白と赤。
それは紅白を意味する。
そして黄色の菊の花と旋律の音。
この少女、まさか。

「厄介なことになりそうだ……」

頭を抱えたくなるほどの。

青年は少女を抱えると自分が住んでいる場所へと運んだ。