浅葱の音がきこえる






「山崎くんは、まだ新撰組の今後の未来のためとかって思ってる?おとだってちゃんと答えてくれたんだよ?なら、俺らだってそれなりにしないとだめだろ?」

「……」

仲良くまでとは行かずとも、自然と話せるような関係になって欲しい。

おとはそれが出来ると思うから。

本当にことちゃんに似てるんだ、おとは。

「山崎くんは、どう思ってる?ことちゃんのこと山崎くんはあまり知らないと思うけど。それじゃなくてもおとを追い出したい?山崎くんの行動みてたらそうは思えないけど……」

「ワイは……「まあまあ、それくらいにしてやれよへーすけ」

突然声がしは、として振り返る。

そこには

「総司、左之さん!」

珍しい組み合わせのふたりがいた。

「なに、揉めてるなんて珍しいね。平助」

「総司だって……」

「僕はおとちゃんと話そうかなあとか思ってきただけだよ。あ、傷つけようとは思ってないからね?単なる好奇心だから」

総司が?
どちらでもいい、なんて言っていたのに。

俺と山崎くんの微妙な空気に左之さんはまあまあ、と割り込むように言った。

「平助もガンガン言ってもひと筋縄ではいかねーって。けど、山崎もだ。女子にあんまりキツいことばっか言ってると後で後悔しても知らねーぞ」

「後悔……?」

そうだよ、と総司も意味深な笑みを浮かべて山崎くんをみている。

そういえば総司は本当はどう考えてるんだろう。
総司の考えていることなんて、いつもわからないけど。

「彼女、ことちゃんにかなり似てたから一くんも焦る理由はわからなくもないけど。山崎くんは少し言いすぎ。近藤さんのことを悪くいうようなもんだよ、今後の未来のためなんて。次言ったら承知しない。」

「………」

ああ、そうだ。

総司はそっちだった。
考えてるだけ無駄だったかな、と密かにため息をついて左之さんと顔を見合わせた。