「ん、あれ……」
気づいたら夜だった。
どうやら眠ってしまったらしい。
目をこすりながら起き上がる私はお腹がすいていることに気づいた。
「お腹すいたな……」
そういえば朝昼と食べていなかったような気がする。
夜はさすがにあるとは思うけど……。
(「大人しくしてろとは言われたけど、屯所内を歩くのは構わないよね」)
部屋を出て歩こうとしたらご飯を持った見知らぬ青年がこちらに来ているのに気付き、あ、と声をあげれば向こうと目があった。
「あ、起きたの?」
「は、はい……。あなたは?」
「良かった、一度呼んだんだけど寝てたから土方さんに伝えたらまた平隊士への挨拶は明日でも出来るからって飯持ってくように言われたんだ。ちなみに俺は藤堂平助!よろしくな!飯食べるだろ?朝昼食べてないって言ってたから多目に持ってきた」
私は藤堂さんの言葉にうなずきを返して礼を言うと膳を受取り部屋に入ろうとした。
するとなぜか入りたげな藤堂さんに、なにか?と首をかしげる。
「あ、いや、ごめん……。ちょっとだけ、一緒に話してもいいかな?食べながらでいいから」
「大丈夫です」
私と話、なんて。
藤堂さんを部屋にいれて襖は静かに閉められた。
互いに座ると藤堂さんがというか新撰組は男の人たちの集まりというのに今更ながら気付いて少し緊張する。
