「詮議終わったみてえだな。で?近藤さんはなんて?」
「彼女はなにもしておらず、ただ怪我をしただけでした。しかし帰る場所がなく近藤局長がここに住めばいいと」
おおっ!となぜか、喜ぶふたり。
この人たちはどちら?
って、どちらでも関係ないか。
私がふたりを見ると美青年の方と目があい、美青年はニカッと笑ってきた。
「俺は原田左之助!よろしくな、嬢ちゃん!左之でいいぜ!名前なんていうんだ?」
「あ、おとです。よろしくお願いします」
「おう、よろしく!」
沖田さんとはまた違った感じ。
左之さん、なんてちょっといいずらいかも。
なんて思っているとあー、ずりぃ!と隣の筋肉すごい人がこちらをずずいと見てきた。
「ひゃ、」
あまりに近づいてくるので思わず声をあげた。
彼は私の反応にあ、悪い、と謝る。
「驚かせちまったか、ごめんな。」
「いえ……あなたは?」
「俺は永倉新八!よろしくな、おとちゃん!」
「よろしくお願いします」
永倉さん。
なんだか、お兄さまに似てるな。
私は今はもうわからない、兄の存在を思い出す。
兄は母さまと同じ優しい人だった。
みんな、どうしただろう。
母さまや兄さま、姉さま……みんな居なくなっちゃったのかな。
俯いてしまっているとどうした?と原田さんが言ってくる。
は、としてみれば訝しげな山崎さんと心配そうなふたりがこちらをみてきた。
「あ、いえ……なにもないです」
にこり。
なんでもないかのように笑めばふたりは顔を赤くした。
?を浮かべれば山崎さんが次案内するので、と言って私に行くぞという。
私は頷くとぺこりとふたりに頭をさげて、山崎さんについて行った。
