かなり興奮しているあたしとは違い、笑うのをやめて呆然とあたしを見つめるふぅちゃん。
でも、すぐに視線を野菜炒めへと移して何故か口元を手の甲で隠しながら、「俺だって人間だし」といって食べ始めた。
ピーマンが入ってるのは気に食わないけど、
ふぅちゃんが笑ったからもうこの際どうでもよくなっちゃう。
「…お前、ニヤケすぎ。キモい」
「だって、ふぅちゃんが笑ったんだもん。嬉しい」
絶対普段は声を出してなんて笑わない。
だからこそ、嬉しかったんだ。
ちょっとでも心を開いてくれたような、そんな気がしたから。
それにしても、ふぅちゃんの無邪気な笑顔…めちゃくちゃカッコよかった。
笑うと目がなくなるタイプなんだ、とかえくぼができるんだな、とか思うところは色々とあったけど
とにかく、本当にカッコよかった。
一瞬、不覚にもドキッとしてしまったもの。
ふぅちゃん…キミは女嫌いだし、笑わないし…人生損ばっかりしてるよ…。
なんてことは、心の中にひっそりと潜めておこう。
「お前の方が強烈だっつーの…」
なんて、彼が呟いていたのを浮かれていたあたしは知らない。