「なら……いや、やっぱなんでもない。はいこれ」
「え?」
自分の手に戻されたスマホをジッ、と見つめる。
え……今のはなんだったの?
「言いたいことあるなら言ってくんないとわかんない」
ムッ、として彼を睨み付けるけど完全にスルーされた。
はあ?自分だけど話といて人の話は無視ですかーっ!?
ほんと、イライラするわ。
さっき、ときめいてしまったのは不可抗力だ。
誰だってあんな綺麗な顔が近づいてきたらドキドキするじゃん。
そう、誰だって……
「てか、お腹すいたから早くご飯作ってよ」
スマホの画面に表示されている時間を見れば、もう18時を過ぎている。
いつもなら、勝手にそそくさと準備始めるくせに。
「お前のせいで今日の分のページまだ読めてないから無理」
「え?なにそれ?本なんかあとでもいいじゃん!!」
ふぅちゃんだって、お腹すいてるでしょ?
なのに、なんでそんな切なげな瞳するのさ。
そんなにあたしにグチグチ言われて悲しいの?
ていうか、一日に何ページ読むとか決めてるとかどんなけ几帳面なのよ。



