「やだ」
予想通りの返答に心の中でクスリ、と笑う。
「まあまあ、そう冷たいこと言わずに」
「お前もいつも冷めてるだろ」
「俺の前ではうるさいけど」なんて言いながら本のページをめくる。
あたしは冷めてるんじゃなくて、
思ったことをすぐに口にしちゃうんですーっ!
これは言ったら、マジで殺されるから言葉で表さずに彼に向かって思い切り嫌味のこもったアッカンベーをした。
どうせ、本に夢中だから気づいてないだろうし。
ちょっとだけムカつく気持ちが晴れて、
机の上に置きっぱなしだったスマホに手を伸ばす。
すると、隣から手が伸びてきてあたしのスマホが奪われた。
ビックリして隣を見ると、そこには読書をやめてあたしをジッ、と見つめるふぅちゃんがいた。
「な、なに…?す、スマホ…返して?」
突然のことに心臓がバクバクいってうるさい。
あまりにも綺麗すぎる顔にこんなに見られたら誰だってドキドキするってば。



