「うんっ…あたし、話してみる…」
「もし、なんか言われたらいつでもあたしに言ってきな。先輩だろうが何だろうがぶっ飛ばしてあげるんだから」
「ハハッ…それは頼りになるね。
ていうか、真心ならほんとにしそうで怖いよ」
隣で笑っている果歩の表情はさっきよりも少しスッキリとしたように見えた。
「当たり前じゃん。だって、親友を傷つけて黙ってられるほどあたしはか弱くないからね」
大事な、本当に大事な親友なんだもん。
傷つけたらタダじゃおかないんだからね。
「やっぱり、真心は真心だね」
「それはどういうことですかね？果歩さん」
「んー、そのまんまだよ。
真心は昔から変わんないよねってこと」
いつものような明るさが戻ってきたみたいでホッ、と胸をなでおろした。
「まあ、それはあたしも思う。
でも、昔はもっと可愛げあった気もするかも」
「それは同感だね。
中学の時とかめちゃくちゃ可愛かったもん。
今はこんなに冷めてるけどね〜」
「果歩ってば、失礼だし」
「アハハ、ごめんってば〜。
あたしは昔の真心も今の真心もどっちも好きだよ」
「なんなら、いっそあたしと付き合う？」
なんて、笑いながら冗談を言う。
あたしにしては珍しい冗談だ。
いつも、こんなことをいうのは大体果歩だから。
