「よかった〜、バレてなくて。」




「バレたらまずい人なの?」




「いやー、まあ今はまだ片思いしてたいんだ」




「そうなんだ。

ケンケンはいい彼氏になりそうだね」



ケンケンの彼女になった人は毎日幸せなんだろうな。



ちょっと、ヘタレなところが傷だけど。



でも、素直に言葉をぶつけてくれるからそういうところはすごくいいと思う。




「っ…そんなこともないけどありがと。マコマコもいい彼女になりそうだよ」




ケンケンの顔が少し赤いように見えるのはあたしだけかな?




「あたしは全然いい彼女になんてなれないよ」



「なれるなれる!

マコマコの彼氏になった人は幸せだろうなー…」



「だといいんだけどね」




あたしには誰かを幸せにできる力なんてあるのかな?



なんて、らしくもないことを思っていると知らない間に寮に着いていた。



みんなとバイバイしてから部屋へと戻った。



ふぅちゃんはまだ帰ってきてないらしく、玄関に突っ立って真っ暗な中で今日のことを思い出していた。




今日のふぅちゃん……変だったな。




『大丈夫…もし、またはぐれたら俺が見つけてやるから』




なんか、思い出すだけで恥ずかしくなってくるし、ドキドキする。



そういえば、あたしも変だった。



苦手なはずのふぅちゃんにときめいてたし……。




まあ、無事に校外学習を終えてここに帰ってこれただけでいいとしよう!