「マコマコ!お菓子食べる??」




そういって目の前に差し出されたお菓子の入った袋。



「ん?今はいらないや。ごめんね」



「そっか。欲しくなったらいつでも言って」




優しい笑みを浮かべ、ケンケンがお菓子の袋をリュックサックにしまった。




「ありがと」



「いいよ、別に。ところでさ…」




急に声が変わったケンケン。



ケンケンはたまにそういう時がある。



いつもはお調子者でヘラヘラしてる感じなのに急に真剣になるから戸惑う。




「なに?」



「あのさ…」




いつになく、オドオドとしている彼に少しイライラする。



言いたいことがあるならちゃんと言ってよ。



モジモジ、として言葉を溜められてる方が嫌だ。



「なに?そんなに溜めてないで早く言ってよ」




キツい言い方にならないようにいつもの癖でぽん、と肩を軽く叩く。




あたしって…めっちゃせっかちなのかも。



はぁ…この性格どうにかしなきゃな、とも思った。




「マコマコは好きな人とかいるの?!」



「え…?」




思わぬ質問に言葉を失う。


好きな人…?




「いないよ」




あたしがそう言うと「マジで!?よっしゃ!」といって幼い子供のように喜んでいるケンケン。