だ、誰…!?
恐る恐る視線をそちらに向けるとそこにいた人物を見てあたしは目を大きく見開いた。
「あり、むらくん…?」
どうして…?
どうしてこんなところにいるの?
いつも不機嫌だけど、今日は一段と機嫌が悪かった。
金田くんのこともフルシカトだったし。
お得意の“有村スルー”を発動しまくっていたのだ。
「ったく…いねぇと思ったらこんなとこで何してんの?」
「ちょっとメモしてたら……」
有村くんが来てホッ、と胸をなで下ろした。
たとえ、仲良くない人でも知らない人たちの中でいるときはすごく心強くなる。
「はぁー…頼むから俺に迷惑かけんなよ」
深くため息をついている反面、有村くんの表情は何故かホッとしたような安堵の表情だった。
そんな彼に不覚にもドキンッ、と胸が高鳴った。



