ツンデレ王子と溺愛同居してみたら。






「ダメ……だった?」


声色が弱々しくなり、不安げに聞いてくるもんだから、あたしは慌てて左右に首をぶんぶんと振った。

すると、「ハハッ、必死」なんて笑い声が聞こえてきたからホッ、と胸をなで下ろした。


それより……さっきからすごい視線を感じるんですけど。

きっと、その視線の主は有村くん。

あたしとケンケンがうるさくしすぎてるのかな?


まあ、振り返る勇気もないから無視するけど。


「それでさ〜、マコマコ〜」


次々に話題を出してくれるケンケンと話していると飽きなくてあっという間に目的地のお寺に着いた。

今日は色んな歴史を学ぶんだとか。

人がいっぱいだから迷子になるな、などの諸注意をバスの中で聞いてからぞろぞろとバスから降りる。


そして、ここからは班で行動するのだ。
だから、有村くんとも行動を共にすることになる。