でも、いざバスの中に入ってみると後ろの席はクラスの中心的な女子達によって占領されていた。


うわ……マジか。
まあ、みんなそりゃあ仲がいい子と座りたいよね。


「や、やっぱり二人で座って!私一人慣れてるし!」


京香ちゃんはそういうけど、本当は誰かとわいわいおしゃべりしながら行くの楽しみにしてたんじゃない?


だって、さっきあんなに嬉しそうにしてたもん。



「いいよ、果歩と京香ちゃんで座りなよ」

「え?」



あたしの言葉に目を見開いて驚いている京香ちゃん。


「だって、京香ちゃんさっきすごい嬉しそうにしてたじゃん。我慢なんてしなくていいよ。あたしら友達なんだから」


そういうと、感動しているのか綺麗な瞳を潤ませながら黙ってしまった彼女。


そんな彼女の肩にぽんっ、と果歩が手を置いてニコッ、と微笑む。


「ふふっ……さすがはあたしの親友でしょ?自慢なんだぁ。ここは真心の言葉に甘えさせてもらお?」


果歩はあたしがこう言うとでも分かっていたかのように優しく言った。

そんな果歩の言葉にコクコクッ、と上下に頭を激しく振った京香ちゃん。

なんか、さりげなく「自慢なんだぁ。」とか言われたらなんか胸がゾワゾワして照れくさくなる。

普段はそんなこと言わないから余計に嬉しいよ。