お風呂から上がると、シンクには綺麗に水滴のついた食器が綺麗に並べて乾かされていた。


思った通り、几帳面な性格らしい。


「お先に〜」


有村くんにお風呂を上がったことを知らせる。

すると、いつもなら読書をしているのに珍しくテレビを見ていた彼が振り返り何も言わずにテレビを消し、お風呂に向かう。


やっぱ、そこはお得意の“有村スルー”ですか。


もう、毎度毎度のことで気にすることもなくなってきた。


まだ、同居始めて二日目なのにね。


「……これ」

「……へ?」


お風呂に行ったはずの有村くんが戻ってきていた。

それも、ブルーのドライヤー片手に。

え、もうお風呂入ったとか?

いやいや、さすがに男の子だからってそれは早すぎだし、髪も全く濡れてないし……。

まあ、それはないとして。
なんで、ドライヤーなんて持ってきたんだろう。

もしかして……あたしに渡してくれるとか?
いやいや、有村くんだよ?そんなわけないよ。