「意味不明」
「知らない。ほんとに作るからね」
制服の上から愛用しているピンクのドットのエプロンを身につけ、キッチンへ向かう。
あんなやつ知らない。
嫌いなもの食べてお腹壊しちゃえばいい。
なんて、思いながらもどこかあたしの良心が痛む。
忘れてたんだから仕方ないよね……とか
今回だけは許そうか……なんて思ってしまっている。
相手は有村くんなのに。
いや、普段から誰にも心を開いていない有村くんだからこそなのかも。
みんなに冷たいし、誰も信用してません……みたいな感じ。
ただ、金田くんは例外っぽいけど。
「はい。出来たよ」
……結局、作ったのはカレーとサラダ。
トマトなんて一つも使っていない。
はぁー……あたしは全く何を甘やかしてるんだか。
食卓に並んだカレーを見て有村くんは固まっていた。
なに……?まさかニンジンとかまで嫌いとか言わないよね?
それは言わなかった有村くんが悪いんだからね。
あたしは一切責任を持ちませんから。



