「じゃあ、副班長は楓希な」
んん……!?
今、金田くんの口からとんでもない言葉が飛び出た気がするんだけど……。
え?え?気のせいだよね?
っていうか、あたしがそう思いたいだけなんだけど。
「……は?なんで俺?」
どうやら、気のせいじゃなかったようです。
有村くんは意味が分からないと言ったような顔で金田くんを見ている。
いや、あたしも意味わからないんだけど。
このパターンはあたしが一番避けたかったパターンたのに……。
それだったら金田くんが副班長の方が何十倍もよかったよ。
「だってお前、さっきから話し合いにも参加してねぇからその罰としてだよ」
「無理」
金田くんをせっかく綺麗な瞳をしているのに、今は恐ろしいほど鋭くギロッと睨んでいる。
仮にも唯一の友達である人をあんな目で見る?
ほんと、有村くんって恐ろしい人だ。
そんな人と一緒に生活してるってだけでなんか怖い感じがするけど、実際は何も変わらない普通の日々だったりする。
基本会話は必要最低限だし、家でも一人でいるような感覚になる。
それに全くと言っていいほど笑わないし、感情を表に出さない。
もっと出せば楽なのに……って思うけど言わない。
言ったってどうせ有村スルーか「うざい」とか文句言われるだけだし。
「これはもう決定だかんな」
そんな彼の目に怯むことなく、金田くんは書き終えた班に関する紙をまいてぃーのところに持っていってしまった。
ねぇ、それだったら金田くんが班長やればよかったんじゃない?
あたしなんかよりもずっーとしっかりしてるし、リーダーシップあるし。
そんなしっかりとした人がいるのになんであたしなのよ〜!!



