「また、隣が川上くんだったりして」
あたしのほうを見てクスッ、とイタズラっぽい笑みを浮かべている果歩。
「コラ、果歩。変な冗談はやめてよ~」
そんな果歩のおでこをコツン、と軽くつつく。
冗談でもやめてほしいぐらいうるさいんだからね。
「ごめんごめん。放課後が楽しみだね~」
放課後になったら、寮の入口のところに何号室か張り出される。
柄にもなく、ドキドキしてたりする。
こういうのはあんまり興味が無いんだけど、去年が去年だったから、いい人が隣なことを祈るしかない。
だって、今年も迷惑な人だったら嫌じゃん。
「だね~」
というか、あたしの隣の部屋はやっぱり果歩がいいんだけど……それもこっそり祈っておこう。



