「……起きてるだけだからな」



そういうと、机に頬杖をつき、ボーッと前を見つめる有村くん。


今日は素直なんだ。

てっきり、いつもみたくブツブツと文句でも言ってくるのかと思ってた。



「よろしい」



笑顔を向けると、有村くんはさっきの無表情から一転、一瞬だけ目を大きく見開いた。



有村くんがそんな顔するなんて珍しいな……。



不思議に思って首を傾げると、彼は何も無かったかのようにいつもの無表情に戻り、あたしとは真逆の方向を向いた。



なによ、その態度……。


また、一発言ってやろうかと思ったけどそれは果歩の「真心〜、決まったよ」という声によって断念された。