「……うっせぇんだよ。だまれ」
うわ……めっちゃくちゃ怒ってる!!
表情は読み取れないけど、声から感情が滲み出てるよ。
それから、有村くんはまた目を閉じて眠りにつこうとしている。
せっかく起こしてあげたのになんで寝ようとするのよ!
「班、決めるから起きなよ」
「……」
はい、出たよ。
“有村スルー”
はぁ、コイツはほんとに無口な人だ。
なんで人のことを無視ばっかりするのかな。
ていうか、なんでこんな人のことを女の子はチヤホヤするんだろう。
「あんたは別にどうでもいいけど、他の人に迷惑かかるんだから起きるぐらいしなさいよ」
あたしは別にあんたと話したいからとかで「起きろ」なんた言ったつもりはない。
ただ、有村くんも参加しないと班を決めるのが一向に進まないから。
他の人に迷惑のかかることは極力したくない。
もうそういう性分なんだよね。
あたしは昔からこういう曲がったことが大嫌いだったから小・中の時はクラスのみんなからもあまり好かれてなかった。
だから、周りの人と比べると友達とかはかなり少なかったと思う。
仕方ないじゃん。そういう性格なんだから。
でも、高校のみんなは違った。
こんなあたしでも仲良くしてくれるから果歩もいるし、ここに来て改めてよかったな、と思える。
だからこそ、有村くんにもちゃんとしてほしい。



