「じゃあ!ここはジャンケンにすっか!!」



クラスのお調子者の男子がまるで自分が仕切ってます的な感じでノリノリにそう言った。


まあ、いつもこんな感じだけど……そして毎回



「あみだくじの方がよくね?」



金田くんの一言で彼の仕切りもどきは終わる。


いつもそうだ。


これはもう定番と言ってもいいほどだと思う。
“ノリ”ってやつなんだろう。



「それあたしも思ってた〜」



「やっぱ、あみだくじのほうがいいよな」



なんて、口々に言い出し、金田くんの机に集まり出した。



あたしもあみだくじに賛成。


理由は単純でそっちの方がパパッ、と決まりそうだから。


それを聞いていたお調子者の男子は少し焦ったような顔しながらそれでも笑顔を崩さずにみんなの方に行き、



「俺の意見ガン無視すんなよ〜、ちょっとぐらいツッコんでくんないと俺もきついわ〜」


なんて嘆いていると、みんなから「みんなお前に興味無いんじゃね?」と冗談なんか言ったりしていて、いつも通りのにぎやかな教室になった。



みんなのそのやりとりにクスッ、と笑ってしまった。


でも、しょうもなさそうにその様子を見つめている人が一人。


それは有村くんだ。
面白くなさそうに机に頬杖をついて目を閉じている。


なに……?こんなときに寝てんの?