「結局は時間なんだってば。
時間が解決してくれることが多いよ」
「そうだよね」
もしかしたら、有村くんにもいいところがあるのかもしれない。
あたしが知らないだけでね。
まあ例えそんなところを見つけたとしても、好きになれそうな性格ではなさそうだけど。
「というか、真心。そんなこと聞いてどうすんの?」
うわ、こういう時だけは鋭い果歩さま。
いつもはフワフワしてて鈍感で何も気づかないくせに。
それとも、これも何も考えないで言ってる?
それならもう小悪魔だな。小悪魔。
「ち、ちょっとね……」
そう言って、愛想笑いを浮かべる。
仕方ないんだもん。
こういう時は愛想笑いでスルーするのが一番。
果歩には隠しごととかしたくなかったんだけど、さすがに有村くんと一緒に生活することになった、なんて言ったらタダ事じゃなくなる。
もしそうなったら、あたしと有村くんはこの学校にいられなくなる。