お風呂から上がると有村くんはもうリビングのソファにはいなかった。
きっと、自分の部屋に行ったのだろう。
ったく…ちょっとぐらいあたしに部屋譲る気はなかったのかな。
はぁ~あ…ろくな一年になりそうだ。
冷蔵庫からお茶を取り出してコップにチャポチャポ、と注ぐ。
「んん~!お風呂上がりお茶は最高!」
喉乾いてるからスッ、となって気持ちよくなる。
冷たいし、美味しい。
ゴンッ、とシンクにコップを置いて自分の部屋に戻る。
────…ガチャ
開けて入ってみると、やっぱり絶望的な気分になる。
も~…せめてベッドぐらいほしいし~。
なんて、嘆いても仕方ないか。