「あと、“楓希”って下の名前で呼ばれたの…なんかキュンてきた」
ねえ…!
これはあたしが知ってる甘々ふぅちゃんじゃないですか…!?
甘々なときのふぅちゃんはほんとにあたしの心臓を破裂させようとしてくるぐらい甘いからダメなんだってば…!!!
しかも、“キュンてきた”とか普通に反則なんですけど。
顔がじわじわと熱を持っていくのが分かる。
「あたしなんかいつもふぅちゃんにキュンってさせられてるから…今だってそうだし」
いつも、いつもふぅちゃんがそばにいるだけでドキドキして……
「ふーん…じゃあ…」
ふぅちゃんはあたしの体をクルリと回転させる。
そうすると、必然的に彼の綺麗な瞳と視線が絡み合う。
それだけであたしの心臓はドクンッドクンッと音を立てて加速していく。
「このまま、俺に溺れちゃいなよ。」
今までで一番、とびきりの甘い顔で
極上に柔らかく優しい笑顔で
そう言った彼にあたしは何も言わずにはにかみ、彼の唇に自分の唇を優しく重ねた。
─────もう、ずっと前から溺れてるよ。
そんな気持ちをこのキスに込めてね。
*このまま、俺に溺れちゃいなよ。Fin*