「だから…俺が…」



「好き…って言ったら同じ言葉返ってくる?」



何よ、その告白…


そんな甘い顔であたしを見つめないでよ。
また…好きが積もっていくじゃない。




「…返ってこない」



いつも、あたしばっかり惑わされているから今日はそのお返し。



「そ…」



あからさまにしょんぼりとして、クルリと180度回転して寮の方へとぼとぼと歩いていく。


そんな彼の背中にあたしは勢いよく飛びついた。



「……んだよ、今はそんな気分じゃ…「好きとは返ってこないけど」



いきなり、飛びついてきたあたしにかなり動揺して少し怒っているようにも見える彼の言葉を遮って言った。



「はいはい。もう分かったから」



呆れたように、そして悲しそうにいう彼の言ってることなんか“水沢スルー”しちゃって……



「その代わり、大好きって言葉が返ってくるよ」



……言っちゃった。


自分で言ったくせに恥ずかしすぎて心臓がバクバクと音を立ててそれが妙に大きく聞こえる。