「そうね。そろそろ、やめにしましょう。

あなた、真心ちゃんだっけ?」



あの勝ち誇ったような笑みから一転し、今度は思わず、みとれてしまいそうなほど素敵な笑顔を見せた先生。



「あ…はい…」


その笑顔につられて、つい素直に返事してしまった。


って、あたし対抗しにきたのにアッサリ折れすぎでしょ…!!



「楓希のこと、よろしくね。

今日はほんとに心配だったから来ただけなの。
ほら、あたしたち嫌な終わり方だったし…」



「え…」



まさか、まさかの展開にあたしはポカーンと口を開けて驚くことしか出来なかった。


てっきり、すごい意地悪なこと言われるのかと思ってたから…。



「もう、楓希に浮気なんかさせないから安心してね。
あたしも今の生活に満足してるし」



そう言いながら、再びスポーツカーに乗り込もうとした。


でも、何かを思い出したようにあたしの耳元に顔をずいっと寄せて



『あなたなら楓希を任せられるしね』とふぅちゃんに聞こえないような声で言うと



にっこり、と微笑み車に乗って颯爽と去っていった。



え…!?


こ、これはどういうこと…!?



「なあ」



「…へ!?」



一人であたふたとテンパっていると後ろにいたふぅちゃんがあたしに声をかけた。