そして、寮の近くにスポーツカーが止まりふぅちゃんが下りてくるのを見て慌ててそちらに向かって走り出す。
「楓希…っ!」
「……え、真心?」
まさか、あたしが現れるなんて思ってもなかったらしく目を大きく見開いて驚いている。
「どうしてここに…?」
不思議そうに首を傾げるふぅちゃんを無視してあたしは智織先生に近づく。
目の前まで来ると、またバカにされないように精一杯睨みつける。
「ふ、楓希はもうあなたのことなんか好きじゃないですから…!
あたしが、いい思い出に変えてみせますから!」
今までなら絶対しなかった緊張も今はものすごく感じていて、
体を支えている足がブルブルと震えている。
「できるものなら、やってみなさいよ」
勝ち誇ったような笑みをあたしに向ける。
く、悔しい……
「その辺でやめとけよ、先生」
止めに入ったのはまさかのふぅちゃん。
な、なんで止めるの…?
もしかして、ふぅちゃんは先生の味方?



