【真心side】
「本気で好きだったから…」
ふぅちゃんの過去は思っていたよりも衝撃的なもので、裏切られるときの辛さが分かるから余計にふぅちゃんが可哀想で……
気づけば、あたしの瞳にも涙が溜まっていた。
ススッと鼻をすすって、フゥと息をゆっくりと吐き出す。
そして、ふぅちゃんの目をしっかりと見て
「ふぅちゃん、あたしがこれから全教科教えてあげる…
それから、小説もしおりだって新しいの買いに行こう。
だから、ちょっとずつでいいから…あたしと一緒に前に進もう」
肩を小さく震わせるふぅちゃんを抱きしめてサラサラな黒髪を優しく頭を撫でた。
ふぅちゃんの涙があたしの肩を濡らす。
きっと…ずっと泣いてなかったんだろうな。
一人で抱え込んで我慢してたんだ。
あたしも一緒になって泣きながら、ふぅちゃんの背中をさする。
いきなり、なんて言わないからちょっとずつその先生のことを思い出にしていこう?
あたしはいつでもふぅちゃんの味方だから。



