放課後、先生の教科科目の国語をみっちりと二人きりの教室で教えてもらったり、
休みの日は水族館や公園でデートをしたりとまるで、普通の恋人のように過ごしていた。
“先生と生徒”
バレたら二人ともタダでは済まない。
ダメだとは頭では分かっていたけど心がついていかなかったんだ。
でも、付き合っているときに疑問はいくつかあった。
デートしたときにハグや手は繋いでも
キスすることは拒まれた、もちろんそれ以上も。
先生はいつも『まだ楓希は中学生だから』と言って申し訳なさそうに断っていた。
そのときの俺はすげぇ単純な頭をしていて物事を複雑に考えることを知らず、
まだ俺が幼いから気を遣ってくれていてやっぱり優しい人だな、なんてバカな捉え方をして自分で安心しきっていた。
でも、先生が俺を拒んでいた本当の理由は
俺が中学生だからなんかじゃなくて
もっと残酷で自分勝手な理由だったことが後々になって判明した。