帰宅してからすぐにふぅちゃんをリビングまで連れていき、ドンッ！とソファに突き飛ばした。


そのとき、ギシッとソファのスプリングが軋む音が静かな部屋に響いた。


ふぅちゃんはまださっきの動揺から抜け出せてないようで突き飛ばされてもあたしと目を合わせようとしない。



なんなの…ムカつく。


そんなにあの女の人が好きだったんだ。



「…ありがと、助かった」



やっと、言葉を発したと思えばそんなこと。


ありがとう…なんて聞きたくない。


あたしが聞きたいのは……




「ねえ、教えてよ。

あたし、ふぅちゃんのこともっと知りたいよ…」



ふぅちゃんがそんなにも苦しむ理由を…もっとちゃんと知りたいんだ。



「……」



ふぅちゃんは何も言わずに黙ったまま。


あたしとふぅちゃんの間にしばらく気まずい沈黙の時間が流れる。


その沈黙を破ったのはあたし。


ふぅちゃんの肩を抑えて、強引に視線を絡み合わせる。


ふぅちゃんの瞳は今までで一番悲しげに切なげに揺れていた。



「ふぅちゃんがあたしの悲しみを分け合ってくれたように…あたしもふぅちゃんの悲しみを分け合いたい。」



キミは不器用にもあたしを元気づけてくれた。


さりげない優しさに何度も救われたんだ。