「……」
ふぅちゃんは黙り込んだまま、何も言おうとしない。
そんなことを気にする様子もなく女の人はポンポンと言葉を発していく。
まるで、ここにあたしがいなくてふぅちゃんと二人きりで話をしているような感じで。
「ちょっとは先生にも感謝してよね」
“先生”という単語に無意識にピクッと反応してしまった。
ふぅちゃんの元カノで彼を傷つけたのって
……もしかして学校の先生だったの?
「……もういいから、帰れよ」
酷く湿度のない声で言い放つのにここから立ち去ろうとしない彼。
きっと、思い出してるんだ…過去のことを。
いい思い出も嫌な思い出も全てを……。
「ふ、ふぅちゃんは今はあたしの彼氏なんですけど〜」
どうしてもふぅちゃんを助けたくて、そうするためには
ここから立ち去ることが一番効果的なのだと思ったからとっさに口から出た嘘をついてしまった。
そんなあたしの言葉に案の定ふぅちゃんは目を丸くして驚いていた。



