「え、ちょっ…!」
スタスタと洗面台からリビングへと歩いていってしまった。
あたしはもう一度鏡でキスマークを見てみた。
なんか…愛されてるな。
そう思うと、自然と頬が緩んでいてパシッ、と気を引き締めるために一度軽く頬を叩いてからふぅちゃんのところに戻った。
「ふぅちゃーん」
「なに」
「なんにもなーい」
「……あっそ」
うわ、いきなり冷た。
さすがクールなお方ですこと。
甘くなったと思ったら、急に普段に戻るんだから…困った人だな。
でも、そこがいいのかもしれない。
そこにあたしはどっぷりとハマってしまっているんだろうなぁ〜。
あたし、いつの間に頭と心の中こんなにもふぅちゃんでいっぱいになってたんだろう。