「なに?」
「もうさ、自分の気持ちに素直になりなよ。」
え……?
もしかして、ケンケンはずっと気づいていたの?
あたしが……自分の気持ちに蓋をしていることに。
「過去に何があったかは俺はわかんないけどさ、マコマコはもっと素直にならなきゃ手遅れになるよ?」
ケンケンがあたしを思って言ってくれてるのがひしひし、と痛いほど伝わってきて胸がジーンと熱くなった。
「ほんとにありがとう…。ケンケン」
ケンケンはあたしなんかにはもったいないぐらいのいい男だよ。
いつか、ケンケンにも素敵な人と出会えますように。
「ううん。ちゃんと幸せにしてもらえよ?」
「ありがと…」
それから、少しだけ二人で話してからケンケンは部活へと向かった。



