「ふぅちゃん…近いから」
「気分。俺は近づきたい気分なの」
なっ…!
こちらを見ようともせずに本へと視線を向けている。
「あたしは離れてたい気分なの!!」
「嘘つき。ほんとは俺ともっとくっつきたいくせに」
「…はぁ!?ありえないから…!!」
なんで、あたしがふぅちゃんとくっつかなきゃいけないのよ…!
「そういえば、今日の礼してもらってなかったな」
「あ…その節は本当にありがとうございました…」
お礼言うの忘れてた。
さっきまでは覚えてたのに…これもあんなこといきなりしてきたふぅちゃんのせいだ。
「ん…」
短い返事をしてから再び本を開いて読み始めた…と思ったら、急にコテンと自分の頭を傾けてあたしの肩に乗せた。
「あの…重いんですけど」
そんなこと思いながらもドキドキしてるあたしもあたしだ。
「んなもん、知らねぇ。今日の礼だと思え」
「えぇ!?」
これが、お礼ですと…!?
なんだよ、それ…!!!



