ツンデレ王子と溺愛同居してみたら。





「お前のファーストキスは俺がもらうから」



そんな甘いセリフを残して、満足そうに微笑みソファに戻り本を読み始めた。



あたしの鼓動は信じられないぐらいバクバクッと音を立てて動いている。



な、なによそれ……


ていうか、なんであたしがファーストキスまだだって知ってんのよ…!!



言い返したいことはいっぱいあったけど、ふぅちゃんを見ていると何も言えなくなった。



だって、いつもなら切なげな表情をして読んでいる本を今日はすごく優しい表情で読んでいたから。



何かあったのかな……?


そんな違和感を抱きつつ、あたしはふぅちゃんと少し距離をとってソファに座った。


うわぁぁ…!!


もうさっきのことが頭から離れなくて顔の熱が中々ひかない。


ふぅちゃんのせいだ!!



「なんで今日はそんなに離れてんの?」




さっそく、距離の異変に気づいたふぅちゃんは不服そうに眉をひそめてあたしに言った。



あんたがさっきあんなことするからでしょ…!



「な、なんでもいいでしょ…!!気分よ気分!!」



あたしがそう言い放つと彼は何も言わないであたしとの距離をいとも簡単に埋めた。



それも、今までは少しは空いていた距離も今日はない。


体と体が密着してしまうほど近い距離に頭がクラクラする。