嫌だなぁ、あたし。
ろくに好きな人もいないのになんで反応なんかしちゃってるのよ。
「さぁ、そろそろお開きにしますか」
「そうだね」
「今日はありがと!また話そうね〜!」
さっきの二人の言葉が心の中で突っかかり、ずっと考えているといつの間にか日は暮れていてお開きになった。
あたしと果歩は同じ方向だから、カフェをでてしばらくしてから京香ちゃんと別れた。
「まーこ」
「なに?」
二人きりになり、すぐにあたしの名前を呼んだ果歩、
「あたしね、真心には幸せになってほしい。
あんなに辛い思いしたんだから今度こそは失敗してほしくないの。
だからね、井原くんはいい人だから勧めてるってだけで真心が好きになった人なら応援するから」
「あたしでよかったらいつでも話聞くからね」と優しい笑みを浮かべて言ってくれた。
「果歩…」
果歩は果歩なりにあたしの幸せを考えてくれていたんだね。
あたしが過去に傷ついたのをずっと彼女なりに気にしてくれてて…さすがあたしの親友だよ。
「それに最近、真心変わったよ」
「え?」
「なんかね、前よりも可愛くなった」
「なにそれ」
「本気だよ本気。
アイツに傷つけられてから冷たい顔することが多かったのに最近は女の子っぽく可愛くなったと思うんだぁ〜」
あたし…そんな冷たい顔してること多かったんだ。
きっと、あたしが変われたのはふぅちゃんのおかげなんだろうな。
あの人があたしをさりげなく救ってくれたんだ。



