「意味がよくわからないんですけど」
「井原くんはともかく、有村くんはみんなのものなんだけど」
「ていうか、なんであんたみたいな女なわけ?」
「あの…」
なんなの?
さっきからめちゃくちゃ腹が立つことしか言われてない気がするんだけど。
しかも、ここは売店付近の廊下だからお昼ご飯を買いに来ている生徒があたしたちの様子をチラチラと見ている。
「まあいいわ。ちょっとついてきて」
「嫌です」
先輩だからだって、人の悪口なんか言っていいわけないでしょ?
「先輩の言うこと聞けないの?」
「先輩とか関係ないと思うんですけど」
「うざ。さっさと来いよ」
腕を掴まれて無理やり体育館の物置倉庫に入れさせられた。
「ここで自分のしたことの反省でもしてれば?あと、抜け駆けした罰もあるから」
それだけ言うと、ガチャリと鍵を閉められた。
嘘……閉じ込められちゃった。
ここ、薄暗いし……なんか気味悪いんだけど。
扉をドンドンッ!と叩いても手がジンジンと痛むだけで外には分からない。
どんなけ分厚いのよ、この扉。
「お前のこと、メチャクチャにしていいってアイツから言われてんの」
後ろから聞き覚えのない声がして振り返るとそこには
顔も見たこともない多分先輩であろう男の子がニヤリと不敵の笑みを浮かべて二人立っていた。
「な、なによ…!近づかないでよ!」
後ろに下がりたくても、あたしの背中は扉にピッタリとくっついていてもう逃げ場がない。
や、やばい……