「真心、放課後まで待てないよ〜」



「あと二時間ぐらい待ちなさい!」




昼休みになって、さっきからグズグズ言ってる果歩を残して



あたしはいつも通り財布だけ持ってお昼ご飯を買いに行くために売店に向かう。



今日はクリームパンが安いから自分でお弁当作るよりもお得なんだよね。



その間、京香ちゃんと果歩は教室でおしゃべりしている。



ふぅちゃんはなんで“付き合ってる”なんて嘘をついたんだろう。


あ、でもふぅちゃんは“付き合ってる”って確実に口にしたわけでもないから


めんどくさがり屋なふぅちゃんのことだから誤解を解くよりもそのままその嘘に乗っかといた方がいいって思ったんだろうな。



あたし、いつの間にかふぅちゃんのこと分かるようになってきてる。



たまにする変な行動の意味は未だによく分からないけど。



そんなふぅちゃんはケンケンに呼び出されて一緒に中庭の方に行ってしまった。


二人で何の話するのかな…?


てか、あたしケンケンに告白されてたんだ…!
それなのにふぅちゃんと付き合ってる、だなんてあたしどんなけタチ悪い女なのよ!



あたし……誰が好きなんだろ。



「ねぇ、あんたが水沢真心?」



「……なんですか?」



考え事をしながら歩いていると女の子たち三人組があたしの前に立ちはだかった。



リボンの色が違うってことは先輩か後輩…でも緑色だから先輩だ。




「あんた、井原くんと有村くんに手ぇ出したんだって?」




ふぅちゃんとケンケンに手を出した?


何言ってるんだろう、この人は。