「もしもし、理事長朝早くにすみません、水沢です。
今日、有村が風邪で看病するので二人とも欠席することを担任に伝えておいてほしいです」
『…』
何故か返答がない。
あれ?これ繋がってるよね?
「あの…理事長?」
『まさか、二人って付き合ったりするのかしら?』
……ん?
今なんて聞かれた?
アタシタチガツキアッテル?
「それは絶対ないですから!!
あたしのタイプとは真逆なんで安心してください!!!」
きっぱりと言い切ると理事長は『ふふ…ならいいけど。分かったわ。お大事にね』と言ってくださりあたしはお礼を言って電話を切った。
さあ、冷えピタ貼りに行かなきゃな〜
この前、迷惑かけたお礼に今日ぐらいは看病してあげるとするか。
ふぅちゃんが寝ているかもしれないから今度はノックせずに部屋にのそりのそり、と静かに入る。
案の定、ベッドの方を見るとふぅちゃんは汗をかきつつも眠っていた。
あたしはその汗をタオルで拭いてから起こさないようにおでこにかかっている前髪をあげる。
そして、冷えピタを貼った瞬間
がしっ、と寝ているはずのふぅちゃんに腕を掴まれた。