「ふぅちゃん、熱計ろ?」
ふぅちゃんの前に体温計を差し出すと大人しく受け取り脇に挟んだ。
よっぽどしんどいのか今日は反抗する元気もないみたい。
「……お前は学校に行ってこい」
「…え?」
体温を計っている最中にぼそりと言った。
「俺は大丈夫だから、お前は行け」
なんでそんなこと言うわけ?
あたしは邪魔者なの?
「あのね、あたしは病人置いて学校行くほど最低じゃないわよ」
今にも倒れてしまいそうなほどしんどそうなのに無理なんかしてんじゃないわよ、バーカ。
「別にしんどくなんか…「ピピッ!ピピッ!」
「それはどうでしょうね」
タイミング良く体温計が鳴ってあたしはふぅちゃんの脇に挟まっている体温計を抜き取り、表示されている体温を見る。
「38.5度だから大人しく寝てることね。看病はあたしがするから」
「だから、しんどくねぇって…」
無理に起き上がり、ベッドから立ち上がろうとするふぅちゃんの肩をあたしは抑えてそれを阻止した。
「はいはい。強がりなんかいりません」
また、ベッドに横にならせて胸まで布団をかけて一旦部屋を出た。
先生に連絡しなくちゃ。
あ…でも待てよ。
どう電話すればいいんだろう??
もうこの際だから事情を知ってる理事長に伝えよう。