「んだよ、それ」
明らかにもっと機嫌が悪くなった様子のふぅちゃん。
「し、知らないよ!言えなかったんだもん!」
あたしだって、言えたなら言いたかったし!
でも、言葉が出なかったんだからしょうがないでしょ?
「こんなに俺をかき乱して何がしたいの?」
「え?」
かき乱して…ってどういうこと?
「井原となんか出かけてないで…今度は俺ともどっか行こ」
「いいの?」
ふぅちゃん、人の多いところとか嫌いそうだし。
ていうか、前水族館の話してたときに言ってたし『俺は人多いところなんて嫌い』って。
「別に…お前と行けるならどこでも行く」
な、なにそれ…!!
また、あたしの胸がキュン!としてときめいちゃうじゃんか。
「顔、赤い」
「う、うるさい!そんなことないし!!」
そんなあたしを見て急にクスクスと笑い出すふぅちゃん。
やっぱり、笑ってる方がいいな…って改めて思った。