「それなのにどっかのバカは井原と出掛けてるし。ほんとバカだな」




ひ、ひぃ…!!!


な、なんでバレてるの!?




「クズ男の溜まり場って〇〇カフェのすぐそばだった。知らなかっただろ」




ふぅちゃんはハハハと笑っているけど、頬がピクピクしてて無理やり笑ってるようにしか見えないんだけど。




しかも、〇〇カフェってあたしとケンケンが一緒に行ったところだし…



もしかして……見られてた?





「そ、そうなんだね」




「そうなんだね、じゃないんだけど」




「え?」





急に目つきが変わって、無理に笑うのをやめ、眉間にシワを寄せて不服そうな表情を浮かべている。




「…井原と二人で何してた?」




「な、なにって…」




うわぁー!!


やっぱり、見られてた…!!




「二人で出かけるとか聞いてない」




「いや、話してないもん」




ジリジリとふぅちゃんがあたしに迫ってくるからその度にあたしは徐々にソファの端へと移動していく。




「…なんで?」




ふぅちゃんの瞳は切なげに揺れていて何故か旨がぎゅうっと締め付けられて苦しい。





「ふぅちゃんには言えなかった。なんでかは分かんない」




言いたくても、言えなかった。


言ってしまえばきっともう今までみたいに話してくれないと思ったから。