「ふぅちゃん、意味わかんないよ」
「一生分かんなくていい。
だけど、誰のものにもなるな」
誰のものにもなるな、ってまた意味わかんないし。
ふぅちゃんの頭の中って一体どうなってんの?
「あたしたちただのルームメイトでしょ?」
「……お前はそうだな。
でも、俺はそうは思ってない」
俺はそうは思ってない…それってあたしのことは他人だと思ってるのかな?
それなら、ちゃんと言ってよ。
いつもいつも中途半端ところでやめるなんて酷いよ。
「じゃあ、どう思ってるの?」
…聞いてしまった。
何故かどこかで期待してる自分がいるのが不思議でたまらない。
「……」
でた、都合のいいときだけ有村スルーを発動するんだ。
「ちゃんと言ってよ!」
「ほら、着いたぞ」
タイミング悪く、寮の前についてしまいふぅちゃんの話は途中で途切れた。
それぞれ、部屋には時間を置いて入る。
いつもならふぅちゃんがそそくさと先に入るのに今日は『お前からいけ』と言われた。
意外と気遣ってくれてるのかな?
ふぅちゃんはさりげなくて優しいもんね。



