彼が公園から出ていくのをぼーっとした頭で見ていた。
あれから、あたしはすぐに部屋に戻る気になんてなれずに一人でブランコに乗って時が過ぎるのを待った。
極力、何も考えないようにした。
だって、考えてしまえばきっとあたしは泣いてしまう。
そろそろ、暗くなってきたから帰ろうかと思って
ブランコから立ち上がると公園に見覚えのあるシルエットが見えた。
「金田くん?」
「やっぱ、水沢ちゃんじゃん」
そこに居たのはどこかへ行ってその帰りの金田くんだった。
なんか、タイミングがいいのやら悪いのやら…
「こんなとこで何してんの?」
「まあ、ちょっとね」
金田くんはふぅちゃんと中学も一緒なんだっけ?
だったら、ふぅちゃんの過去とか知ってたりするのかな?



