「コイツが悪いんだ。
誰から聞いたのか俺らの溜まり場に来やがって『話がある』とか言うからついて来てやったら
お前に謝れとか生意気なこと抜かしやがるから一発、二発くらわせたってわけ」
次々と室井くんの口から出てくる言葉たちに胸がぎゅう、と苦しいくらい締め付けられて涙が出そうになるのを必死に堪える。
ふぅちゃんはなんでそれをあたしに言わなかったの?
どうしてそこまでしてくれるの?
「もう俺疲れたから帰るわ。じゃあな」
くるり、とあたしたちに背を向けて歩きだそうとする室井くんの腕をふぅちゃんが掴んだ。
「待てよ。まだ謝ってないだろ」
あたしはというと、何か言いたいのにそれが言葉にできなくて黙ってその様子を見ていた。
「ったく…お前はしつこいんだよ。
水沢、悪かったな。じゃあこれでまじでサヨナラだから」
室井くんがしぶしぶ謝るとふぅちゃんはまだ不服そうな表情をしていたけど、掴んでいた手を離した。
そして、室井くんは公園から出ていった。